ドラッグ。だめ。ぜったい。

生物の雑学
“ドラッグ”は”医薬品”だけでなく”覚醒剤”や”大麻”などを指す場合もある。
今回は危険な方のドラッグについて書きたい。
接種時の症状は3種類に大別される。
ドラッグは絶対にいけない。意図せず人に迷惑をかけるから。
しかしここに潜む科学は面白い。
ほとんどのドラッグはドーパミンの分泌を促す特性を持つ。
ドーパミンとは快楽や意欲などに関わる神経伝達物質で、
これが遊離することで動物は快楽を得られる。
通常ドーパミンは信号を受けたシナプスから放出されるのだが、
ドラッグは信号無しでドーパミンを放出させる作用がある。
このとき、ドラッグは脳内のシナプス周辺に存在している必要がある。
これが難しい。
脳にある毛細血管の内皮細胞間は間隔が狭く、
大きな分子や水溶性の高い分子は血管から神経系へ侵入できない。
一方グルコースやアミノ酸などの栄養素はトランスポーターによって
選択的に侵入できるようになっている。
この防御機構は血液脳関門(Blood-Brain Barrier:BBB)とよばれ、
脳に異物が運ばれることを防いでいる。
しかしドラッグはBBBをすり抜けてしまうのである。
ドラッグの種類によって通過率は大きく違う。
モルヒネ:2%程度
ヘロイン:60%程度
下の構造式を見てもらうとわかるが、
ヘロインの方が親油性が高いためである。
その分作用も強い。
またドラッグ以外にもこの関門を突破する物質がある。
 ニコチン[たばこ]
 カフェイン[コーヒー]
エタノール[お酒]
たばこを吸ったりコーヒーを飲むと頭が冴える、
お酒を飲むと酔っぱらうなどの作用はこれが影響している。
お酒やたばこは規制されないのになぜドラッグは規制されるのか。
個人的にここには疑問が残る。
危険ドラッグで危険な運転をする人がいるが、飲酒運転でも同じである。
本来ならばお酒を規制すべきと思うが。
一方でアメリカ コロラド州やワシントン州のように大麻が合法化する流れがある。
税収や雇用を考えると、そういう流れになるのだろうか。
難しいところである。
最後にもう一度書いておこうと思う。
ドラッグは絶対にいけない。

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