台風1号も発生し、夕立ちの起こりやすい季節になってきた。
「雨降りそう」
多くの方がそう感じた経験を持っているだろう。
そしてそれは”雨の匂い”を感じてのことだと思う。
雨はNoxやSOxを含むが無臭である。
では何の匂いがしているのか。
1964年、I. J. BearとR. G. ThomasがPetrichor(ペトリコール)が関わっていると報告している。1)
具体的な物質としてはGeosmin(ゲオスミン)がある。
これは地中の細菌などにより生合成され、カビ臭の原因にもなるものである。
物質は特定されたが、なぜ雨の前にこの物質の匂いがするか?
長い間詳しいメカニズムはわかっていなかったが、
昨年(2015年1月)、MITのY. S. JoungとC.R. Buieにより解明された。2)
①雨が降り、勢いよく地面に激突する
このとき雨は原因物質を取り込む
②この衝突により雨の一部がエアロゾルとなって空中に浮遊する
③エアロゾルがまだ雨の降っていない地域へと風で運ばれる
④人の鼻に入り原因物質の匂いを感じる
※雨が降りだすと空気中に漂っていたエアロゾルは再び叩き落され
匂いはなくなる。
人はGeosminの匂いに対して高い感度を持つが、
雨の危険を回避できるというのが理由の一つだろう。
小さな環境変化から危機を察知する。
このような危険察知センサーは何千年もかけてDNAに刻まれてきた。
しかし今やノウハウや特許として急速に企業へと刻まれていく。
人間は変化せずとも、科学技術により環境変化に適用できるようになった。
すなわち動物としての進化はこの時点で止まるのだろう。
そう思うと複雑な思いとなる。
話が全く違う方向にそれてしまったが、
雨の匂いは遠くの地面の物質が雨のエアロゾルに取り込まれ
漂ってきたものだったのである。
1) Bear. I.J., et al. nature. 201; 993-995 (1964)
2) Y. S. Joung, et al. nature communications. Ncomms7083; 1-9 (2015)
【中古未使用品】 バーバリーブラックレーベル レインコート L 45418 レッド メンズ BURBERRY BLACK LABEL 10,000円以上で送料無料 価格:49,980円 |